名エンジニア エディー・クレイマー氏のミックスに対する考え

ビートルズを始めローリング・ストーンズ、レッドツェッペリン、ジミヘンドリクスを手がけた名エンジニア、エディー・クレイマー氏、WAVES Eddie Kramerシリーズの本人による解説で、各楽器の音処理に対する考え方が参考になるので、まとめてみました。

ボーカルについて
「ミキシングの際、いつもボーカルとその他のトラックの間では葛藤が存在する。私の場合、よいミックスというのは、すべての要素がシームレスに結びついているということであり、お互いに尊重し合っている状態だ。
ボーカルをミックス内で配置し、その後トラックに戻し、飛び出ることなくできるようにする。ボーカルの元々の透明感と存在感がすべて保たれるように」

ドラムについて
「レッド・ツェッペリンのような空気感にあふれる巨大なサウンドや、ローリングストーンズのよりドライで実直なサウンド、過激に潰したコンプ感のあるジミ・ヘンドリックスのサウンド」

ベースについて
威圧的にならず切り裂くような、プレゼンスたっぷりのファットベースを作り上げるということ。一般的に中低域に特徴を持たせる。だからこそラジオミックスで本当にはじけて聞こえる」

リードギターについて
「リードギターパートは、ライブ感や息をのむようなオーガニズムがあってミックスの中ではっきりとした刺激を創り出して欲しい。正しい量のEQ、コンプレッション、ディレイ、リバーブ、わずかなフランジャー、この5種類を組み合わせて、一緒に使用することで、リードギターパートを生き生きとしたものにできるんだ。」

リズムギターについて
「リズムギターは、可能な限り「眼前に迫ってくる」ようトライする。サウンドをEQし過ぎずね。コンプレッション量を調節し、あまり大きなスペースを作らないことで、リズムギターがあるべき最前列にいると確認できるんだ。」

ミックス全体について
「私は音を絵の具を塗るように使う」

上記のように各楽器の音処理のイメージがはっきりしていれば、その目標目指して音作りのアプローチが大分絞られるはずです。とても参考になる情報だと思います。

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